運動会が中止になって

20××年5月×日 27時

カッコつけたい人間なので,こういう文章を書くつもりはなかったけど,眠れないので。

運動会が中止になるのではないか,ということは結構前から覚悟していたことであったし,僕は運動会ガチ勢ではないので,そんなにショックは受けないはずだった。

でも,なんだか感傷的になってしまった。心に穴が開いてしまった感じ。

運動会前日の慌しい感じ。順調に進んでいるはずなのになぜか暗くなるまで終わらない準備。夜中に読んでしまうパンフ。異様に早い当日の朝。青い空と緑のグラウンド。桟敷から観る運動会。すし詰め状態の入場門。なかなかない興奮。ぬるいアクエリ。特等席から観る運動会。星条旗よ永遠なれ。ふわふわした気持ちで終わる運動会。それが好きだった。

中学生の頃は,高二高三に憧れる気持ちがどこかあったと思う。

高一になって,いよいよ来年,と思って,楽しくやってきた。翌日片付け,打ち上げ,落し物,議案,初詣,運準旅行,委員募集,審議会。今まででも一番楽しいと思えるような一年だった。ここまでは期待通り。来年はそれ以上をって思ってた。

高二,始発で登校して,本部テントで観戦して,五棒で勝って,綱の伝令をして,閉会式では行進をするはずだった。

運動会というのは,当然あるものだと前から思っていた。それがなくなって,なんとも言えない気持ちになる。自分はある程度の立場のつもりだけったけど,何もできなかった。誰のせいでもないし,だからこそ。

これからはやるべきことをやるだけだけど